九頭竜大社からのお知らせ
2013年6月19日 講話
お祓いのはなし(教主講話)
今回はお祓いについてお話をさせていただければと思います。
神職がお祓いをする際に、左右左を振る棒を大麻(おおぬさ)といいます。九頭竜大社でもこの大麻(おおぬさ)にはたくさんの麻紐(あさひも)がついています。これは、昔から麻(あさ)には魔を祓う力があると信じられているからなのです。現在でもお店の入口の暖簾(のれん)が麻(あさ)の布でつくられていることが多いですが、これは、たくさんのお客さまが知らず知らずのうちに身についてしまった魔を祓ってから中に入ることが出来るように、麻(あさ)の布を用いているのだともいわれています。また、お坊様が麻(あさ)の布で出来た衣をお召しになるのは、この麻(あさ)に魔を祓う力があると信じられていたからだともいわれています。
線香の煙や香りにも魔を祓う力があります。九頭竜大社では、ローソクと線香をお供えいただいてから、本殿を9回まわるお千度をしていただきます。(参拝作法についての動画等をご参照下さい)ローソクに火を付けてお供えするのは、人間が生きていくうえに欠かせない火をお供えし、神様に誠心を捧げる意味があります。線香に火をつけてお供えするのは、その線香の煙や香りにより普段の生活の中で知らず知らずのうちに身についてしまった魔を祓ってからお千度をするという意味があるのです。
最後に榊(さかき)について。神職は榊(さかき)の枝でお祓いを行うことがあります。6月24日の夏越大祓神事(なごしのおおはらいのしんじ)でも、ご参列の皆様方お一人お一人を、御念(ごねん)のこもった榊(さかき)の枝でお祓い申し上げます。これは、榊(さかき)の枝でお祓いをすることにより、榊(さかき)に魔をはじめよくないものを取り付け、お焼き上げをするわけなのです。
今回はお祓いの方法についてお話をさせていただきました。次回は、魔を祓うための心の持ち方についてお話をさせていただければと存じます。
九頭竜大社 教主 大西 正美