九頭竜大社からのお知らせ
2020年4月2日 公式ブログ
お天道さま
4月のおついたちの朝のことです。毎月お参りなさる男性の方が社務所にお越しになりました。長年、毎月必ずお参りなさっている方で、京都で会社を営んでおられます。
「○○さん、おはようございます。」
「おはようございます。では、またいつもの通りに。」
「はい、承りました。」
この方は毎月必ずご祈祷、お榊を受けられ、おローソクを10本お供えになり、9回まわるお千度をなさってお参りになります。
「今日はいつもの御祈祷と…それと、もう1件お願いします。息子の件なのですが…」
「ああ、△△さんですね。そういえばもうそろそろご結婚ですね。」
「そうそう。5月初旬なのですけれども、この、コロナでしょう。。」
「ああ~~~。。最近延期とか…多いですね。」
「そうなのですよ。こういうご時世でしょう。。息子たちも考えないといけない。だってそうでしょう。こんな時に東京の方からとか、いろいろな方々を京都にお招きして式をしても本当にお祝いムードになるかどうか…」
「う~~~~ん…そうですね…本当にこのコロナ…厄介ですね。。」
「ええ、本当にそうです。でね、式は5月初旬の予定なのですが…この4月中に、延期にするかどうか息子たちが判断しなければならないのです。なので…息子の△△が結婚式の件、正しい判断が出来、よい方向に向かいますようにと、このひと月、御祈祷をお願いしたいのです。」
「はい、承りました。大神様にお取次ぎいたします。」
この後、9回まわるお千度をなさいまして、また社務所に戻ってこられました。
「○○さんの会社ではこのコロナ、影響が出ておられますか?」
「ああ、お蔭さまで私の職種では今のところそれほどは影響はないです。」
「そうなのですか。それはよかったです。でも事務所を換気したりだとか、いろいろと気を遣われたりなさいませんか?」
「いえいえ、事務所といっても…結構開けっ広げみたいな感じですので…今のところ大丈夫です。」
「そうですか(笑)よかったです。」
「それはそうと…コロナのことで私、考えるところがありましてね…」
「はい、どんなことでございますか?」
「コロナって呼び方、ほら、太陽もコロナといいますでしょう?」
「え??そう…でしったっけ?ん?聞いたことがあったような気も…」
「いうんですよ、太陽コロナっていう風に。」
「ああ、そうなのですね。」
「私の仕事では、お庭に出て太陽の下で仕事をすることが多いのです。太陽のめぐみをよく感じるのですね…私、本当に虹をよく見るのですよ。お庭で仕事をしていたらサッーーと虹がかかる、なんてことがとても多いのです。」
「へぇ~~。○○さん、そうなのですね。」
「ええ、本当なのですよ。それで思ったのです。このコロナは…太陽…お天道さまからの何らかのお知らせなのではないか、と。」
「ああ、なるほど。」
「あなたも本を書いておられるでしょう。九頭竜大社には「自然に帰れ」という教えがあると。「自然に帰れ」はいろいろと表現できるけれども、一つには必要以上に我欲を持たないことが大切でしたよね。」
「ありがとうございます。その通りかと存じます。」
「それで思ったのです。今回のこのコロナの騒動…今は自粛、我慢をしなければいけません。もちろん経済とのバランスをとらないといけないから難しいですね。でも私が思うに、人間、我欲を持ち過ぎだったのではないかと。」
「ああ、なるほど。」
「コロナでこんな状況になってしまったら、自分のことばかり考えて儲けようとか、もうそれどころではありませんよね。だから、今はそんな我欲を捨てて、我を出し過ぎないで生きてゆきなさいと、私はそんなお天道さまからのお知らせだったのではないか、と、そんな風に思えてならないのです。何か勝手に偉そうなことを申しましてすみません。」
「いえいえ、とんでもない。ありがとうございます。ご高説ありがとうございます。」
このようにお話しになってお帰りになりました。「そうかぁ~~」と社務所で物思いに耽っていると、○○さんが駐車場のほうからまた社務所に戻ってこられました。
「どうなさいましたか?」
「この雑誌。これは私の仕事関係のことですけれどもね…実は私の解説文が掲載されているのです。さっきのコロナの話ではないですよ(笑) 1冊差し上げますからぜひお読みください。」
○○さん、すごいです!!ありがとうございます。