九頭竜大社からのお知らせ
竜の鱗
ある日の夕刻のことです。最近よくお参りでご活躍の女性〇〇さんが社務所にお越しになりました。9回まわるお千度の前、おローソクをお求めになる時に、こんなお話になりました。
「こちらの神様はすごい神様でいらっしゃいますね。すぐでした。お参りさせていただいて、本当に、すぐに、たいへんなご加護をいただけました。」
「そうなのですね。どのようなことがおありになったのですか?」
「私は前回、仕事がうまくいくように大神様にお願いをしたのですけれども、それからすぐに忙しくて忙しくて。それこそてんてこ舞いになりました。大神様のお力をいただいたとしか思えないのです。本当にありがたいことでした。」
「ああ、それは大神様とご縁がおありでいらっしゃるのですね。素晴らしいことです。」
「はい。それで今日はそのお礼参りなのです。稀にお礼参りの時はお礼しかしてはいけないというお考えの方もおられるようですが、私はお礼と併せて今胸にあることを素直にお願いさせていただこうと思っているのです。」
「お礼参りではお礼しかしてはいけないとお感じの方は、それが今のその方に合っておられるのです。私は「~しかしてはいけない」というよりも、自然と感謝の心だけでお礼参りをなさるとなおよろしいのではないかと思っています。〇〇さんは〇〇さんご自身の思いで、お礼と今のお願い事を大神様にお祈りください。九頭竜大社では、自然体で素直に大神様に向き合っていただければよいのです。」
おローソクをお供えされ、ゆっくりと9回まわるお千度をなさり、社務所に戻ってこられました。
「ありがとうございます。今日もよいお参りをさせていただきました。」
「ああ、よろしかったです。〇〇さんは最近よくお参りでいらっしゃいますね。初めて九頭竜大社のことをお知りになってお参りなさるきっかけはどんなことだったのですか?」
「はい。私が仕事の関係で親しくしている方から「京都八瀬の九頭竜大社にお参りするようになってから、仕事がどんどんうまくいくようになった」という話を聞いたからです。本当にその通りでした。」
「そうでいらしたのですね。」
「今日のお参りは今朝思い立ったのですよ。あっ、今日は必ず九頭竜大社にお参りしよう、と。」
「そうですか。それはきっと大神様がお呼びになられたのでしょうね。」
「ええ、きっとそうなのだと思うのです。大西さん、九頭竜弁財天大神様は女神様でいらっしゃるのでしょうけれども、どのようなお姿をなさっておられるのですか?」
「九頭竜弁財天大神様のお姿??まあ、それはお人さまによっていろいろな感じ方がございますし、神様もその時々でお姿を変えられるようにも思いますし…う~ん。。」
「竜神様の上に弁財天様がお乗りになっているような感じなのですか?それとも、弁財天様が竜神様の大きなお力をお持ちでいらっしゃるのですか?」
「ああ、それは後者でございます。諸竜神のなかでも別格の存在である九頭竜の、とてつもなく大きなお力をお持ちの弁財天様です。あえてお姿でということで申しますと、右手に剣、左手に宝珠を持たれた弁財天様です。奇蹟のお力を持たれた慈悲の女神様で、時に竜神様のお姿にもなられて無限に人をお救いになっておられる、そんなイメージですね。」
「なるほど。そうなのですね。よく分かりました。ところで、9回まわるお千度の後にいただくパウダーがございますね。私はあちらからも不思議なお力をいただくのですよ。」
「パウダー??ああ、白い粉ですか。それは粉薬のようにしていただくお守り「護符」のことですね。心の中で思いを念じてからいただいて、包み紙は社務所の火鉢で焼くのです。」
「ああ、そうそう「護符」です。私はあの「護符」を初めていただいた時にですね、「ああ、竜の鱗をいただいた」と、そんな風に感じたのです。その「竜の鱗」をいただいたと感じたときから、心身ともに浄化されたようで、本当に物事がうまくいくようになったのです。」
「そうですか。「護符」の包み紙は六角形をしていますよね。もともとは普通の粉薬のように五角形だったのを、開祖が弁財天の使いである「巳さんの鱗」を象って六角形にしたと言われているのですよ。それを〇〇さんは「竜の鱗」とお感じになったわけですね。素晴らしい感性でいらっしゃいますね。」
「今日もお千度の後に「護符」をいただいて、社務所の火鉢で焼かせていただきました。今回も感じたのですよ。「あっ、九頭竜弁財天大神様のお使いの「竜の鱗」をいただけた」と。だからきっとまたお願いが叶ってうまくいくのです。次回もお礼参りになるのだと、そんな風に思うのです。」
「本当によいお参りでいらしたのですね。」
「ええ。今日はこんな風に神主さんともお話しさせていただけて、本当によいお参りになりました。」
九頭竜弁財天大神様の守り導きのもと、一層ご活躍になりますように。
書籍『九頭竜大社にお参りする人達から聞いた50の素敵なお話』