九頭竜大社からのお知らせ
「感謝」と「ゆだねる」 (講話)
社務所でほっと一息ついて境内の様子を眺めていたのです。何人もの方々が、ご本殿を9回まわってお千度なさっているのですね。
そのお参りをなさる様子を眺めていて本当にいつも思うことなのですが、この9回まわるお千度のお作法、誰一人としてまったく同じということはありません。もちろん9回まわるお千度のお作法はある程度の定めがあるのですが、実際にお参りをなさってみると本当に人それぞれ、一人ひとり違います。一礼をなさる場所が少し違ったり、ある場所でじっと手を合わされたり、ゆっくりとまわられたり、シャキシャキとまわられたり…本当に人それぞれなのだと、誰一人として同じ人はいないのだと、こんな当たり前のことに改めて気づかされるのです。
目に見える9回まわるお千度のお作法だけでもこれだけ人によって違うのですから、その心の内、神様への向き合い方はもうそれこそ千差万別、人それぞれなのです。皆様それぞれに人生を歩まれていて、それぞれの思いで、それぞれに神様にお参りされているのですね。。
お一人おひとりが、自分らしく自然体で神様に向き合ってお参りになって、九頭竜弁財天大神様のお力をいただかれるといいな、と。九頭竜大社を心の支えにしていただければいいな、と。本当に心から思います。
神主の私からお勧め申し上げるのは「感謝」の心と、神様に「ゆだねる」という気持ち。
今日も大神様にお引きいただいてお参りすることが出来たのですから。もうすでに大神様にお守りいただいているのですから。ありがたい、と「感謝」。
大神様は人智を超えたところより実に巧みにお導きくださいます。人間が神様のお考えを知ることなど不可能です。本当に思わぬ奇蹟を授かります。願いがいつどのように叶ってゆくかは大神様の奇蹟のお力に「ゆだねる」。
「感謝」と「ゆだねる」。この2つ。ぜひこの2つをお忘れにならずに、ご自身の思いでお祈りください。九頭竜弁財天大神様に、より幸いにお導きいただき、素敵な奇蹟がいただけます。
今回は、境内で9回まわるお千度をなさる方々を見ながら思ったことをお話ししてみました。
もう少し踏み込むと、九頭竜大社には「自然に帰れ」という教えがあるのですが、それにつきましては本に著しましたので、よろしければお読みくだいませ。
ありがとうございました。
九頭竜大社 大西 正浩