九頭竜の絵

ご本殿向かって左の雅楽殿に納められる九頭竜の絵は、令和2年11月24日 九頭竜大社御発祥66周年の日に、猫猫寺(にゃんにゃんじ)の絵師 加悦徹(かやとおる)さんによりご奉納いただきました。

九頭竜弁財天大神様は、諸竜神の中でも別格の存在である九頭竜の、とてつもなく大きな御力を持たれた慈悲の神様です。弁財天様なのですから女神でいらっしゃるのですが、時に竜神のお姿になって人々をお救いになります。

この九頭竜の絵は、千人万人無限に人を救い揺蕩(たゆた)って神界に上ってゆかれる九頭竜弁財天大神様のお姿が描かれています。

毎日午前9時~午後4時頃まで雅楽殿の扉が開けられ絵をご覧いただけます。ご本殿を9回まわるお千度の順路にございますので、ぜひご拝礼くださいませ。(写真撮影可。荒天時には扉が閉められることもございます。)

神主 大西正浩と絵師 加悦徹さん

絵師 加悦 徹さんのお話

絵師として長年積み上げてきた日本伝統の技法と独自の技法を用い、精一杯描かせていただきました。

ご奉納の意思をお話し申し上げた時に神主の大西正浩さんから「人々を救い揺蕩って神界に上ってゆかれる透明感ある九頭竜の絵を描いてほしい」とのリクエストをいただきました。
この九頭竜さまの透明な質感をどのように表現するのか、ずいぶんと考えました。熟考の末、白金パールという画材を用い、その透明感を表現することが叶いました。

九頭竜さまは胡粉という絵具で盛り上げて描いていますので立体感があります。そのうえパールの絵具は光により金や銀、白や虹色にと変化します。従って、朝夕の陽の当たり方や天候の違い、見る角度によって九頭竜さまの色が変わって見えます。

九頭竜大社に「九頭竜の絵」をご奉納させていただくのは長年の念願でございました。まことに光栄なことでございます。

神主 大西 正浩の話

この九頭竜さまの絵をご奉納いただいたのは令和2年11月24日 御発祥66周年の日でした。その日、加悦さんご夫婦が、猫猫寺から白い布に包んで運んでこられたのです。雅楽殿に納められ、白い布がとられて九頭竜さまが姿を現されました。そのお姿を初めて見た瞬間に「ああ、九頭竜さまだ。」と思いました。ずっと出会いたかった存在に、やっと出遭えたような気がいたしました。
「ああ、九頭竜さまです。加悦さん、九頭竜さまですよ。」その時ご夫婦に、興奮気味にお話しした記憶がございます。

加悦さんからご奉納のお話をいただいた時に、私からは「千人万人無限に人を救い、揺蕩って神界に上ってゆかれる透明感ある九頭竜さまを描いていただきたい」というお願いを申し上げておりました。ご奉納ということでしたので、このお願い以外のことは加悦さんにお任せ申し上げておりました。それがいざ描き上がってくると、まるで図ったかのように雅楽殿にピッタリと納まりました。雅楽殿に納まり絵がまっすぐに立てられた刹那、神なるものが宿ったように感じました。

感動や驚きという言葉だけでは表現し切れない、私の想像を超えたご奉納でした。本当に「奇蹟」だと思いました。

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